男女共同参画学協会連絡会 Japan Inter-Society Liaison Association Committee for Promoting Equal Participation of Men and Women in Science and Engineering Japan Inter-Society Liaison Association Committee for Promoting Equal Participation of Men and Women in Science and Engineering

第3期科学技術基本計画に関する要望
‐男女共同参画社会実現のために ‐

平成17年4月25日

  科学技術創造立国実現のためには、男女共同参画が必須要件であります。第3期科学技術基本計画に、下記の具体策を盛り込んでいただきますように要望いたします。

1.「科学技術分野における男女共同参画モデル事業制度」の創設

 男女共同参画の速やかな実現をめざすために、様々な施策を集中的に実施する「男女共同参画モデル事業制度」を創設し、COE制度に準じた重点的資金配分を行う。

 例えば、文部科学省科学技術振興調整費の「新興分野人材育成」と「戦略的研究拠点育成」のプログラムの中に、参加研究者の中の女性が占める割合が30%を越えるプログラム、または女性研究者育成計画が具体化されているプログラムを一定割合で採用する。

2.女性研究者・技術者の採用と昇格に対する数値目標の設定と特別交付金

 女性研究者・技術者の基本的人権を尊重した雇用・育成を促進するために、採用、昇格に関する数値目標を設定し、評価基準を公開すること。また、女性研究者割合が一定比率を超えた場合、その機関を男女共同参画特区と定め、その機関に特別交付金を提供する。各研究機関が短期、中期、長期的な数値目標を設定し、進捗を定期的に調査し、公表する。

3.男女の処遇差を低減するための具体的施策

1)各機関における男女共同参画を推進するために、機関ごとに男女共同参画室を設け、男女共同参画推進やセクシュアル・ハラスメント防止等の専門知識を有する専任の男女共同参画コーディネーターを配置して、質問・相談・提案等(例:苦情)への対応を行う制度の整備を奨励する。

2)大学・研究機関で男女共同参画推進講座を設け、入学、入社、昇進(中間管理職、管理職)の際、定期的に全員に受講を義務づける。

4.育児支援の具体的施策の推進

1)育児支援資金の創設

 日進月歩の変化が著しい科学技術分野においては、育児中も研究・教育活動を継続することを強く望む研究者・技術者が少なくない。研究と育児を両立させるため、当該研究者・技術者が必要とする研究、教育あるいは育児のいずれかを部分的に支援する代替要員を、各機関の育児休業に相当する期間雇うための育児支援資金を創設する。また、育児のためキャリアを中断した研究者・技術者が復帰を目指す時の復帰支援資金を創設する。

2)研究機関内託児施設の整備費、運営費の補助

3)「男性の育児休業取得のすすめ」を研究機関の規定に記載すること(勧告)

男性が育児休業制度を利用し難い雰囲気を改善するため。

5.女子学生の理工系学部進学へのチャレンジ・キャンペーンの推進

  女子学生の理工系学部への進学率を高めるためには、小、中、高校生を対象にした実験、講座を含むチャレンジ・キャンペーンが必要である。この必要性を大学・研究機関に伝え、申し出に対応可能な予算を計上し、大学・研究機関での実施を支援する。

(以上)

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