リリース・発表資料
Nature誌のWorld View 欄に “Japan’s first female prime minister doesn’t call herself a feminist — but the country needs her to tackle sexism in science” 掲載
志牟田美佐先生の記事がNature 2025年11月4日号に掲載されました。男女共同参画学協会連絡会の2021年大規模アンケート調査を引用して、日本の研究環境やジェンダー平等の課題および選択的夫婦別姓の必要性について、研究現場の立場から述べられています。
https://www.nature.com/articles/d41586-025-03569-5
https://doi.org/10.1038/d41586-025-03569-5
Japan’s first female prime minister doesn’t call herself a feminist — but the country needs her to tackle sexism in science by Shimuta, M., 4 November 2025, VOL 647, pp.9.
【要約】
日本は2025年の「世界ジェンダー・ギャップ指数」で148か国中118位と、先進国の中で依然として低い順位にある。このような状況の中で、高市早苗氏が日本初の女性首相に就任したことは、女性の政治的進出を象徴する出来事となった。
新政権は科研費の拡充や旧姓使用の法制度化を掲げており、研究者にとって期待が高まるが、実際の運用次第で成果は左右される。自民党の旧連立相手・公明党が基礎研究強化を重視していたのに対し、新たな連立相手・日本維新の会は市場主導の改革と経済成長を重視しており、研究環境改善への具体策は明確でない。
研究開発費全体は増加しているものの、大学部門の伸びは鈍化しており、運営費交付金の削減が研究格差を拡大させている。大学の基盤的経費を回復させ、長期的かつ安定した支援を行うことが研究力再生に不可欠である。
また、旧姓使用制度の法的整備は女性研究者にとって前進ではあるが、夫婦別姓の選択制導入がより根本的な解決策とされる。姓の変更は女性研究者の約9割に及び、これは単なるジェンダー問題ではなく、自己の名前を選ぶ人権の問題でもある。
最後に、女性研究者の昇進が男性より5〜10年遅れている現状を踏まえ、研究予算の拡充だけでなく、制度や文化の改革が必要とされている。安定した研究環境と多様な才能が活かされる社会こそが、高市首相の掲げる「強く豊かな日本」を実現する鍵である。
2017年3月2日 「AASSA - SCJ Workshop、東京」にて講演を行いました
2017年3月1日~3日に、AASSA(The Association of Academies and Societies of Sciences in Asia, アジア科学アカデミー・科学協会連合)と日本学術会議(SCJ)のワークショップ(全体テーマ:「包摂的な社会のための科学の役割」)が開催されました。
本会議の「Issues on Work and Life Balance in Asia」のセッションにおいて、大坪久子先生が下記のタイトルにて講演を行い、女性研究者支援事業や第3回大規模アンケートの結果などを紹介致しました。
“Beyond the bias and barriers - What we have done in these 10 years in STEM field in Japan-”
発表資料はこちらからご覧いただけます。
「無意識のバイアスーUnconscious Biasーを知っていますか?」リーフレットを作成しました
このリーフレットは、2016年10月8日、お茶の水女子大学で開催された第14 回男女共同参画学協会連絡会シンポジウム、分科会1におけるMachi Dilworth 先生(沖縄科学技術大学院大学(OIST) 副学長)の基調講演をもとに分科会1関係者(下記) がとりまとめたものです。
学会の理事会、評議員会や年会の共同参画ワークショップ、リーダー研修、大学での授業、FD、などでもご活用下さい。内容につきまして、ご不明の点は下記へお問い合わせください。
大坪久子・小川温子・澤崎達也・松島綾美(男女共同参画学協会連絡会)
Machi Dilworth (沖縄科学技術大学院大学)
リーフレットはこちらからご覧いただけます。(Copyright © 2017 EPMEWSE All Rights Reserved.)
日本語版リーフレット
英語版リーフレット
(2019年3月13日 初版改訂版に更新)
英語版リーフレットは、University of Washington(UW) の ADVANCE Center for Institutional Change におけるツール共有サイト(LEAD-IT-YOURSELF)より、5つ星の評価をいただきました(https://advance.washington.edu/liy/resource/1852#comment-26)。
リーフレットの内容の引用に際しては、著作権法の規準を満たし、なおかつ科学論文の引用スタイルに準ずること。
・本文をそのまま引用する場合は、引用部分を明確に示すこと。
なお、引用元として
「無意識のバイアス - Unconscious Bias - を知っていますか?」男女共同参画学協会連絡会著(2017)
と出典を明記し、連絡会の掲載ホームページを付記すること.
ホームページは下記.
https://www.djrenrakukai.org/doc_pdf/2019/UnconsciousBias_leaflet.pdf
https://www.djrenrakukai.org/doc_pdf/2019/UnconsciousBias_leaflet_eng.pdf
・図を引用する場合には、政府刊行の「科学技術白書」等の引用様式にならうこと。
⇒ 事例参照:
平成30年科学技術白書:
第1-1-77図 「女性研究者が少ない理由」 あるいは
第1-1-78図 「仕事と家庭の両立に必要なこと」を参照の上、
引用図の下部には、
出典:「無意識のバイアス - Unconscious Bias - を知っていますか?と明記すること。
男女共同参画学協会連絡(2017)
https://www.djrenrakukai.org/doc_pdf/2019/UnconsciousBias_leaflet.pdf」
なお、英語版についても、引用様式は日本語版に準じること。
※毎日新聞で取り上げられました(2017年12月4日付朝刊)。(記事へのリンク)
2017年5月25日 「GS10(ジェンダーサミット10、東京)」にて15期北川委員長が講演を行いました
2017年5月25~26日、一橋講堂にて「ジェンダーサミット10」が開催されました。
「ジェンダーサミット(Gender Summit(GS))」はジェンダーの視点を取り入れて研究やイノベーションの質の向上を図ることを目的に、2011年に欧州で発足し、世界各国で開催されている国際会議です。
第10回目のジェンダーサミット(GS10)は、「ジェンダーとダイバーシティ推進を通じた科学とイノベーションの向上」をテーマとして、我が国で初めて開催されました。
https://www.jst.go.jp/diversity/gendersummit10/
本会議の「2.ダイバーシティ推進に係る評価手法の提示」のセッションにおいて、15期委員長の北川先生が下記のタイトルにて講演を行い、連絡会で実施した大規模アンケートの結果などを報告致しました。
“What we need to proceed in near future for maximizing our potential in STEM field”
発表資料はこちらからご覧いただけます。
Science誌に “Japan's Lagging Gender Equality” 掲載
大坪久子先生らの記事がScience 2013年4月26日号に掲載されました。日本の女性研究者支援や男女共同参画についての英語による国際誌への発信としては初めてのものです。
https://www.science.org/doi/10.1126/science.340.6131.428-b
Japan's Lagging Gender Equality by Homma, MK, Motohashi, R., Ohtsubo, H., 26 APRIL 2013, VOL 340, pp.428-430.
記事の内容はこちらでもご覧いただけます。
【要約】
先進諸国の中で我が国の科学分野における女性研究者比率は最下位である。何故日本ではこれほどまでに女性研究者が増えないのか、その背景について、300語の字数制限のなか簡潔に記載した。学協会連絡会の大規模アンケートのデータも引用し、上位職の女性が少ないことや女性に対する無意識のバイアスが、女性研究者に対してさらなるバリアをつくっていることを述べた。また、その状況を改善するために日本政府が進めた女性研究者支援策「加速プログラム」についても言及した。



